渇き






ぼんやりと彼が窓の外を見ている。
天気はあいにくの雨。
外に出たくても出られない。
いつもなら彼は、この時間から買い物に行くのだろう。




「新八」




声をかけると振り返ってこちらを見る。





「なんですか?」

「なに見てるんだよ?」





彼が微笑む。
トントンと窓ガラスを指先で叩いた。





「銀さんを見てたんですよ。ずっとこっち見てるから」





外が暗く、中が明るい。
それが窓ガラスに部屋の情景を映している。
その中に自分の姿が見えた。
なんて顔をしているのか。





「なんだそりゃ、直接見ればいいだろ?」

「そんな人の顔をじろじろ見れるわけないです、それに・・・」

「それに、なんだよ」

「あ、いや、僕が見ている間、銀さんも・・・僕を見るから・・・」

「見るから、何だ?」





彼の顔に薄く赤みが差した。





「恥ずかしいってことです!僕はそんなに長く目を合わせてられないんです!」






なんだ、そりゃ。






「俺が好きだって素直に言えばいいじゃねーか?」

「なんでそーなるんだよっ!?」






反論しながらも、顔の赤みがひいていない。
だが、足りない。






「言ってみろよ」






足りないんだ。
彼からはっきりした言葉が欲しい。












「好き」と言って欲しい銀さん。
ああ、銀さん大好きだぁ。