こっちを向いて






「新八君と逢える確立ってすくないですよねィ」

「まあ、そうですね。僕は大体色んな所に行ってますからね」




買い物袋を下げて、そっちを気にして見ている彼。
その顔は見えない。
隣に並んで歩く彼の声を聞き、答える。





「ま、俺も大体が外でみまわりでさァ。」

「あれ、見回りちゃんとしてるんですね」

「しっけいな、ちゃんとしてるって」

「なんか、寝てるところはよく見かけるんですけど」

「・・・面目ないっす」

「いえいえ」





本当は彼をよく見つけていた。
買い物をしている時や、旦那達と一緒にいる時。
彼はこちらに気づかない。
そう、一方的。
まるで片想いのような。





「・・・いやになっちまいまさァ」





この心を知らない彼は、意味を取り間違えて慌ててこちらに顔を向ける。
その顔をじっと見詰めた。






「本当に、ね」








偶にこっちを見させるくらい良いでしょう?
















偽者沖田。
ヤマダの沖田はどうしてもエセ江戸っ子になってしまうという・・・。