| きっかけは何でかって? そりゃあ、また愚問だな。 ん〜、正直言って覚えてないんでさァ。 上手くいえないんだけど、何ていうかなぁ ごく自然に、というか、当たり前、みたいに。 好きになる事が普通だったかのような。 出会うべくして、出会った。 みたいな? 何でかって? え? 異常じゃないのかって? まあ、そりゃ。 健全な年頃の男子にゃ、ありえねぇことでさぁね。 そりゃ、考えてもみなせぇ。 アイツは胸もなけりゃ、女特有の柔らかさもねえ。 髪が長いわけでもなけりゃ、・・・穴も開いてねぇときた。 (違う穴はあるけどよ) 他から見りゃあ、そこら辺にいるようなただの普通の男子。 加えて言うと、少し間抜けな眼鏡っ子。 地味だ、地味だなんて言ってるけど なぁんかしらねぇけど、俺にはそうは見えねぇんで。 ホラ、ホラ。 見てみなせぇ。 太陽の光がうっすら溶けて、アイツの黒髪を輝かせてるだろ? こりゃ天使に違いねぇや。 (天使なんて見たことないけど、いたらきっとこんな感じ) 何の警戒心もなく、無邪気に笑うその彼に。 いくつものフィルターを突き破り、驚くほど簡単に ストン、と心の中の一番深くに落ちて響いた。 全身が切なく痺れるほどの感情を。 幸福感と、溢れ返る、いとしい、いとしい、感情を。 この感情に名前をつけるなら、 それはもう 恋でしかなくて。 それ以外に当てはまる言葉を、 俺は知らない。 なぁ、ほら。 これで、わかったろィ。 理解されようとも、理解されなくとも 自分ただ一人でいい。 彼を想い、彼を受け入れられるのは 俺だけでいんでさァ。 「・・・という事で、俺と付き合ってくだせェ」 「はぁ?!なんですか、唐突に!」 沖新。 |
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