何度でも会いたい






巡回中すうっと、目の前を白いものが横切った。
それは音も立てず、地面に降りる。
拾い上げてみると、白い紙が何かの形に折られているものだった。
『紙飛行機』だ。なんだか懐かしい。
どこから来たのだろう。それが来た方向を見上げる。
窓のところに、見覚えのある看板が目に入る。
『万事屋銀ちゃん』
玄関先のベランダで彼は身を乗り出し、こちらに手を振っていた。





「新八くん。何してるんだい?」

「紙ヒコーキ飛ばしです」





拾い上げた白い物を見つめてから、再び彼を見上げる。





「今日は仕事は休みなのかい?」

「休憩中ですよー、休憩」





本当だろうか。
仕事の依頼がなかったのか、彼は少し膨れていた。
そう思ったのも束の間。彼の背後から声がした。
後ろを向き、それに弁解する彼。
彼の家族が、一向に部屋に入ってこない彼を呼んでいるようだ。





「新八君、じゃあまたね」





口元に手をやり、大きく声をかけると、彼は振り返って軽く手を振る。
そしてその後、ベランダから離れていく後ろ姿を、じっと見つめた。
自分で会話を途切れさせたものの、この場を離れるのが名残惜しい。
残された『紙ヒコーキ』を、先程まで彼の姿のあったベランダへ軽く投げてみようか。
そんなことをふと思った。
開かれた窓へ上手く入れば、きっと彼はまた顔を出すだろうから。