俺を見てよ






不意に夜中、ふと目が覚めた。
遠くで犬が鳴く声が聞こえてくるだけで、後は静かなもんだ。
そういえば、何だか片方の肩が寒くなったような。
隣に眠っていたはずのはずの彼がいない。
寝ぼけまなこで隣の布団辺りを手探りでポンポンと探す。
先ほどまであったであろう体温で布団が温もっていた。
今日は遅いからと、帰りたがった彼を自分が無理やり引き止めたのだ。
そろりと起き上がると、布団からずり落ちている彼が目に入った。





ああ。
俺が落としてしまったわけね。






ボリボリと頭をかきながら彼の腕に手をかけると、布団の中に引きずり込んだ。
彼が起きる気配は無い。
胸が、ちくりと痛んだ。
ああ、何ですかチクショー。






「少しは、意識しろつーの・・・」







彼の黒髪を指でつまみ上げると、じっと顔を見つめる。
僅かに身じろいだ後は穏やかな表情。
柔らかな頬を指の背で押さえる。
子供の体温は本当に暖かい。







音をたてて横になった。
目の前には彼。
とりあえず今だけは、彼の寝顔は俺だけのものなのだ。













お願い、少しでいいから
俺を見てよ。