好きだよ
好きだよ
好きだよ
君がとても好きなんだ。




愚か者の恋





叶わない恋心ですら不毛だと言われている世の中なのに
男か女かも分からない僕の想いは一体どうなんだろうと
思うだけで笑えてくる。
けれど確かに僕は女であって、君に恋をしている。



大切な事はなんだろう?
大事にすべき気持ちはなんだろう?





「九ちゃん」

「妙ちゃん」

「これお土産ね、こっちが私のでこっちの色違いのが九ちゃんのよ」

「・・・ストラップ?」

「そう、おそろいね」





そう言ってうれしそうに微笑む彼女。
ストラップの先についている鈴がチリンと鳴った。




「・・・おそろい」

「そう。なくさないでよ」

「なくすもんか」

「これで九ちゃんがいる音がするのよ」




彼女はストラップを揺らして鈴を鳴らしてみせた。
僕も同じように揺らして鈴を鳴らしてみせる。
チリン、チリン





「九ちゃんがここにいる」





ああ
君が好きで
好きで
好き過ぎて。




「ああ、ありがとう。大切にするよ」




守りたいと思うのも
大切にしたいと思うのも
幸せを願ってやまないのも
君しかありえなくて。
僕の傍にいて欲しい
隣で笑っていて欲しい。
僕しか見ないで、その眼に他の誰も映さないで。
お願い、お願い。





どうかこんな僕の事を笑っておくれよ。
叶わない恋に身を焦がす僕の事を。
愚か者だと笑っておくれ。









消える事ない想いは、切なく痛く
けれども暖かく愛おしかった。












くっ付いてしまえ。
女友達として接しているお妙さんと、そうじゃない九ちゃん。