| ○○←新八←沖田 そう そうやって 少しずつ、少しずつ 堕ちる 「・・・沖田さん」 「んー?・・・また何かあったのかィ?」 新八は目に涙を溜め、俺の元にやってくる。 ろれつの回ってない声で名前を呼ぶ。 「う、うんん」 嘘だ。 どうせ、アイツのことなんだろ? 分かっているんだ、お前の事なんて。 「・・・しょうがねー奴だなァ」 当たり前の様に俺に頭を撫でられている新八。 俺はいつだって、こんな風に新八を慰める。 歳が近い所為か新八は心を開いて懐いてくれた。 安心するだろ? 俺は優しいから 他のやつと違ってな・・・。 「沖田さん、ありがとう」 落ち着きを取り戻した新八が、目をこすりながら微笑みかける。 「気にしなさんな、新八」 そんな新八を俺は、目を細め微笑み返す。 なんて言ってやればいい? もう、そんなに辛いなら恋なんてするなよ? 俺のほうが優しくしてやるから? 諦めて、もう苦しむなって? いや、違うね。 これからもずっとそうやって、 淡い恋を沢山していけばいい。 そしてこれから先もまた、同じように沢山悩んで心を痛めるんだ。 男なんて優しいだけじゃない。 お前の様に、純粋な奴にだって欲望という牙がいつか向くだろう。 その時に、俺にはされないような事をされればいい。 甘いばかりだと思っていた男の豹変に驚けばいい。 お前が思った以上に貧欲に求められ、怯えたってもう遅いんだ。 そして、いつか気づくだろう。 俺の存在に。 甘い言葉を掛け続け たまにしかってくれる もっともらしい顔でお前の隣にいる、この俺に。 新八を自分の腕の中にしまい込んで、新八の髪に頬をつける。 俺がそんな事をしたって、新八は安心して俺に体を預ける。 それは俺の特権みたいなもので、何も気づいちゃいないんだ。 新八の細い背中に手を回し、力を入れると折れそうなほど。 その白い柔らかな頬に愛おしく手を添え、新八の体温を確かめる。 新八の甘い香りが鼻を掠めた。 俺は気づかれないように、新八の髪にキスをする。 誰にも渡すもんか お前の白い肌も 柔らかな唇も 黒い柔らかな髪も。 確信にも似た笑みを隠して新八を抱きしめる。 「沖田さんといると安心する・・・」 「そうかいィ?」 「・・・はい、とっても」 そう そうやって堕ちてゆくんだ。 ゆっくり ゆっくりと。 少しずつ、でも 確実に。 そして、 いつか俺のこの腕にしまい込まれる日がくるんだ。 さあ、ほら 堕ちて来いよ 俺の元に。 お き た さんっ! |
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